退職願・退職届の違いとは?
退職願とは、経営者や会社に対して退職したい旨を伝える書類です。
これは読んで字の如くお願いをするための書類なので、それがすぐに通って労働契約の解除に繋がるかは判りません。
更に提出後に心変わりをしてしまったとしても、経営者や会社が退職願を正式に承諾していなければ撤回することが可能になります。
片や退職届とは、この退職願よりもより重みのある書類です。
書類が受理された段階で退職をすることができ、基本的には撤回もできません。
退職のお願いだけの場合には、会社が書類を預かっておき再度提出者の意思を確認することがあるのですが、退職届になってしまうと会社は預かっておくこともできません。
受理するか拒否するかのどちらかになるため、提出側には一層強い覚悟が求められます。
ちなみに民法では、労働者の一方的な意思表示で労働契約の解除ができるとされています。
もし退職届の受理を拒否されたとしても、合法的にそれから約2週間後には辞めることができるのです。
ただ円満に辞められるに越したことはありませんし、強引な辞め方をすると転職先などで問題視される可能性が考えられます。
書類の準備段階から含めて、なるべく衝動的にならず計画的に話を進めていくのが理想的です。
書き方のポイント
退職願や退職届では、A4サイズの便箋を用いるのがいいとされています。
なるべく自分が用意したという証明ができるよう、またマナー的にも手書きの方が一般的です。
書類の中央上部には大きく、退職願なのか退職届なのかが判るよう書いてください。
そして「私事ではありますが」という風に、必ず「私事」や「私儀」の文字から書き出しましょう。
退職の理由は、正直に書かない方が賢明です。
よくドラマなどでも目にする「一身上の都合により」という文言を、退職理由に使ってください。
経営者や会社側は、必要以上に理由に迫ることは通常ではしません。答える義務も提出者にはありませんので、具体的には書かないのがベストです。
本文では退職希望の日付と共に、退職願なら「お願い申し上げます」と、退職届なら「退職いたします」と書きましょう。
ここが一番の違いで、退職願では辞めると言い切ってはいけません。最後に自分の部署名や氏名を書き、氏名の下に捺印をします。
日付は書類作成日時ではなく、実際に提出する日付にしてください。
書き間違いがないか確認をしたら、無事に完成となります。
入れる封筒は、会社の備品を使わずに市販のものにしてください。
色は白で、茶封筒は使わないよう気を付けましょう。
退職願、退職届を出す前にやっておくこと
事前に退職後の計画を、丁寧に考えておくことが推奨されます。
衝動的に辞めてしまい途方に暮れれば本末転倒ですから、転職活動を並行して進めたり退職希望日に間違いがないかを確認しておきましょう。
それから就業規則を見直しておき、退職の申し出に関する規則が定められていないかを頭に入れておくことも重要です。
目を通すことを怠ってしまうと、手続きの際に判らない要素が増えるリスクがあります。
自分の計画性に疑いがないなら、次は直属の上司に相談をします。
原則として、どちらの書類でも提出するのはこの直属の上司です。
ただいきなり黙って机の上に置いておくといったことは、マナー的にも良くありませんしするべきではないでしょう。
最初に退職の相談をしたい旨を伝え、別に時間を作ってもらうのが理想的です。
相談の際には何かしらの質問をされますので、この質疑応答に関するシミュレーションを行っておくのも大切です。
例えば退職願であれば保留の余地があるため、様々な形で引き留めをされる可能性が高くなります。
辞める理由や意志の強さを曖昧にしてしまうと、受理までに相当な時間が掛かるかもしれないのです。
ですからこう訊かれたらこう答えようという風に、面接練習のようなものを行っておくといいでしょう。
退職願、退職届出した後にすることは?
退職願や退職届を出した後には、やるべきことが沢山あります。
まず肝心なのは仕事の引き継ぎで、言葉だけのものではなく正式な書類を用意して行うのがマナーです。
自分の役職などにも影響されますが、引き継ぎ先を誰にするのかは独断では決められません。
こちらも上司に相談をして、然るべきスケジュールに沿って後任を決めてください。
次に会社内での退職の挨拶も重要ですが、取引先などへの挨拶を先に行うのが理想的です。
これまでお世話になった感謝、並びに退職後の連絡先なども含めて、相手に戸惑いを与えないよう早めに伝えておくといいでしょう。
後任者が決まっていれば、ここで併せて紹介をしても構いません。
直接顔を出すのが難しければ、挨拶状や電話にて伝えるようにしてください。
退職が決まると、多くの場合で人事部から返却物リストが届きます。
これは自分が会社に返さなくてはいけない備品などが書かれたもので、これらの返却も忘れず行ってください。
一応退職した後でも間に合うものなのですが、既に転職をした後などに返しに行くのはハードルが高いことです。
担当者にも手間や迷惑を掛けてしまいますから、辞めるまでの期間内に返し終えておいた方が安心できます。
まとめ
退職願と退職届の一番の違いは、書類としてのその効力です。
しっかりと辞める覚悟が固まっているなら、保留の余地がある退職願にはせず退職届として提出するようにしてください。
まだ辞めようか悩んでいる最中なら、書類は書かずに直属の上司に相談するのがおすすめです。事前に考えをまとめておいてください。
仮に転職先が既に決まっていたところで、正式に退職するまではその会社の一員です。
必要な前後の手続きはもれなく確認しておき、迷惑を掛けないよう円満に辞められる努力をしましょう。
仕事や職場が変わっても、仕事の中で生まれた縁は簡単には切れないものです。
そして退職は自分個人だけの話のように思えますが、実は見えないところで沢山の人が動いてくれています。
そういった人たちのことを思いやれるような辞め方ができれば、きっと新しい環境でも上手くいくはずです。
挨拶や引き継ぎについても真摯に向き合い、退職のその日まで責任を強く持って仕事をしましょう。
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